企業で働く女性の皆さん、日々の業務お疲れさまです。
今回は、「ロールモデルに出会える確率は？」というテーマでお話しします。
女性リーダーを目指す中で、ロールモデルの存在は大きな支えとなります。
しかし、その出会いの難しさも現実です。そこで、ロールモデルの現状と新たな視点をご紹介します。
女性管理職の現状とロールモデルの希少性
まず、女性管理職の現状を見てみましょう。
厚生労働省の2022年度「雇用均等基本調査」によれば、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.7％と報告されています。
この数字は、女性が管理職として活躍する場がまだ限られていることを示しています。
さらに、部長相当職以上の女性管理職がいる企業の割合は12.0％と、約1割にとどまっています。
このような状況下で、自分と重なるロールモデルを見つけるのは容易ではありません。
人は無意識に「自分と似た背景や経験を持つ人」をロールモデルとして求めがちです。
しかし、現実にはそのような人物と出会う確率は低く、「運命の人」に出会うようなものかもしれません。
「ないものねだりよりあるもの探し」の視点
このような状況で大切なのは、「ないものねだりよりあるもの探し」の視点です。
完璧なロールモデルがいないと感じても、周囲の人々の良い点を見つけ、それを自分の成長に活かすことができます。
例えば、上司の決断力、同僚の調整力、後輩の柔軟な発想など、さまざまなスキルやマインドセットが周囲にあります。
それらの「パーツ」を取り入れ、自分に合ったスタイルを築くことで、独自のキャリアモデルを構築できるのです。
また、ロールモデルの概念を広げることも重要です。
直接指導を受ける人だけでなく、書籍やインタビューを通じて学ぶこともできます。
例えば、著名な女性リーダーの考え方やキャリアの歩みを知ることで、新たな視点を得られるでしょう。
「完璧な一人」を探すのではなく、多くの人から学ぶ姿勢を持つことで、キャリアの可能性は大きく広がります。
さらに、身近な人だけでなく、異業種の成功者や海外の事例からも学ぶことができます。
異なる業界のリーダーがどのように困難を乗り越えたかを知ることで、自分の仕事にも応用できるヒントを得られます。
このように、視点を変えて周囲を見渡せば、学ぶべき「パーツ」は意外と多く存在するのです。
「ないものねだり」ではなく、「あるもの探し」を意識することが、成長への第一歩になります。
大切なのは、自分の価値観に合う要素を選び、それらを組み合わせていくことです。
そうすることで、周囲に左右されるのではなく、自分の軸を持ったキャリアを築いていけるでしょう。
反面教師もロールモデルに
ロールモデルは必ずしも「こうなりたい」と思う人物だけではありません。
「こうはなりたくない」と感じる経験や上司の姿も、貴重な学びの材料になります。
例えば、威圧的な態度で部下を管理する上司を見て、「自分は部下を尊重するリーダーになろう」と決意することもできます。
また、非効率な業務スタイルを目の当たりにしたとき、「私はもっと生産性を重視した働き方をしよう」と考えることもできます。
具体的な例として、ある女性管理職の話があります。
彼女は若手時代、厳しい上司のもとで働いていました。
その上司はミスをした部下を人前で叱責し、チームの雰囲気を悪くしていました。
彼女は「私はこういうリーダーにはなりたくない」と強く感じ、部下のミスを責めるのではなく、解決策を一緒に考るスタイルを取り入れるようになりました。
また、ある企業では「長時間労働が当たり前」という文化が根付いていました。
そこで働く女性社員は、「私はメリハリのある働き方を大切にしよう」と決意し、効率的に仕事を進めるスキルを磨きました。
その結果、彼女は短時間で成果を出せるリーダーとして評価され、ワークライフバランスを重視する新たな企業文化を作ることに成功しました。
反面教師から学ぶことで、自分の価値観やリーダー像がより明確になります。
「こうなりたい」と思う人だけでなく、「こうはなりたくない」と思う人の行動も参考にしながら、自分なりの理想像を築いていきましょう。
ロールモデルは、必ずしも完璧な人である必要はありません。
周囲の経験すべてを学びに変え、自分らしいキャリアを作っていくことが大切なのです。
自分らしいキャリアを描くために
最終的に大切なのは、「自分らしいキャリア」を描くことです。
完璧なロールモデルがいなくても、周囲の人々から学び、自分の価値観や目標に合わせてキャリアを築くことは可能です。
重要なのは、「自分がどんなリーダーになりたいか」を明確にし、実現のための行動を積み重ねることです。
例えば、ある企業の女性マネージャーAさんは、初めはロールモデルが見つからず悩んでいました。
しかし、周囲の上司や同僚の「優れた点」を取り入れ、自分なりのリーダースタイルを確立しました。
ある上司からは「的確な指示の出し方」を学び、別の上司からは「部下の意見を尊重する姿勢」を吸収しました。
さらに、チームワークを重視する文化を持つ同僚の影響で、「風通しのよい職場づくり」を実践しました。
その結果、彼女は周囲から信頼されるリーダーとなり、組織全体のパフォーマンス向上にも貢献しました。
また、Bさんは「長時間労働が評価される企業文化」に疑問を抱いていました。
彼女は、効率的な働き方を模索し、会議の時間短縮やタスク管理の工夫を実践しました。
その結果、短時間で成果を出すスタイルを確立し、ワークライフバランスを保ちながら昇進を果たしました。
彼女の取り組みは社内でも評価され、働き方改革の先駆者として注目されるようになりました。
このように、周囲の影響を受けながらも、自分の理想に合ったスタイルを築くことで、キャリアの可能性は大きく広がります。
「ないものねだり」ではなく、「あるもの探し」の視点を持ち、柔軟に学びながら、自分だけの道を切り開いていきましょう。
そうすることで、あなた自身が次世代のロールモデルとなり、後輩たちに影響を与える存在となる未来が待っているかもしれません。
まとめ：自分らしいキャリアは「学ぶ姿勢」から生まれる
ロールモデルがいないと感じるのは、女性リーダーがまだ少ない現状では仕方のないことです。
しかし、「ないものねだり」ではなく、「あるもの探し」の視点を持つことで、キャリアの可能性は広がります。
周囲の人々の優れた点を「パーツ」として取り入れ、自分なりのリーダースタイルを築く「パーツモデル」の考え方を活用しましょう。
また、「こうはなりたくない」と感じる反面教師から学ぶことで、自分の理想像がより明確になります。
キャリアに正解はありません。
周囲から学び、自分の価値観や目標に沿った働き方を見つけることが、最も成功につながる道です。
そして、その努力や経験が、次世代の女性リーダーたちの道しるべとなるかもしれません。
あなたらしいキャリアを描くために、まずは「学ぶ姿勢」を大切にして、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
