女性部下を活かすマネジメントは、結局すべての個性を活かす

「女性部下の扱いは難しい」と感じたことはありませんか?

気を遣いすぎると距離が生まれ、配慮が足りないと不満が出る。

そんな悩みを持つ男性管理職は少なくありません。

でも実は、女性の個性を活かすマネジメントは、男性も含めたすべての部下に応用できるものです。

今回は、自分と違う個性を活かすと言う視点で深掘りしていきます。


目次

女子部下を固定観念で見ることは、部下全員にバイアスをかけている証拠

「女性だから○○すべき」という固定観念は、無意識のうちに部下の可能性を狭めています。

例えば「女性は細かい気配りが得意」「感情的になりやすい」といった先入観。

それが評価や役割の偏りにつながることもあります。

個性を活かすマネジメントでは、性別ではなく「その人自身の強み」を見極める視点が重要です。

一人ひとりの特性を把握し、それに合った業務や成長機会を提供する。

これは、男性部下にも同じことが言えます。

「この人は論理的思考が得意」
「この人はチームの士気を高めるのがうまい」

このような、個人の強みに着目することで、公平かつ効果的なマネジメントが可能になります。

ニーズの多様化と言われて久しい昨今。

多様なニーズに対応するには、多様な個性を活かす必要があります。

異性を個性と捉えたマネジメントをすることで、顧客、従業員を幸せに導くことができるのです。


女性部下の意見を引き出す環境を作る

「女性は何かと、小うるさい」
「女性は意見をあまり言わない」

そのように感じたことはありませんか?

これは、「言える環境」がないからかもせん。

男性が多い職場では「発言しても流される」「反論しづらい」と感じることが少なくありません。

その結果、不満を口にしたり、発言を控えてしまうのです。

私の元部下にYさんと言う、ベテランの女性がいました。

担当分野では実績も上げているのですが、過去の上司になかなか評価を得られないでいました。

そのためか、発言が不満やネガティブなものばかりになっていたのです。

上司として着任した私は、Yさんとちゃんと話をした方が良いと思い、面談の場をもうけました。

Yさんの話しは、現状や過去の上司がしてきた偏見に対する不満ばかり。

私はそれをしっかりと受け止めたあと、こう言いました。

「Yさんが本当にやりたいことって、なに?」

Yさんは1拍おいてから、こちから取り組みたいことを熱心に話してくれました。

「それ、やろうよ!」

私は、Yさんにそう言いました。

「提案書としてまとめてくれる。まとめ方がわからなければ、その都度、相談して。」

このような経緯で、最終的にTさんは役員プレゼンまで行い、承認を得ることができました。

このように、女性の意見を引き出す解決策としては、発言の場を工夫すること。

1対1のミーティングや、意見を文書でまとめる場を設けることで、話しやすくなります。

また「まずは○○さんの考えを聞かせて」と指名して発言を促すのも有効です。

これは、シャイな男性部下にも役立ちます。

結果的に、全員が活発に意見を出し合えるチームが生まれるのです。


ライフイベントへの理解が組織の強みに

結婚や出産といったライフイベントは、女性だけでなく男性にも影響を与えます。

しかし、特に女性は「キャリアへの影響」を懸念することが多く、「迷惑をかけたくない」と仕事をセーブするケースもあります。

管理職としては、「長期的なキャリアを考える視点」を持つことが大切です。

「仕事のやりがい」と「ライフイベントの両立」は、支援次第で可能になります。

たとえば、短時間でも成果を出せる環境づくりや、リモートワークの活用。

こうした柔軟な対応は、子育て中の男性社員や、介護を抱える人にもメリットがあります。

働きながら介護をしている人は365万人おり、介護を理由に離職する人は年間10万人います。

上司がそれらを捉え、柔軟性のある視点で、部下を導いていくことで、誰もが働きやすい組織となるのです。


女性部下へのフィードバックの質が成長を左右する

「期待しているけど、うまく伝わらない」と感じたことはありませんか?

実は、男女問わず「成長を促すフィードバック」は、マネジメントの重要な要素です。

特に女性部下の場合、「厳しすぎると傷つくかも」「遠回しに伝えた方がいいかも」と、ちゅうちょすることもあるでしょう。

しかし、誰もが成長のためには明確なフィードバックを必要とします。

ただし、伝え方には工夫が必要です。

「ダメな点を指摘する」よりも「どうすればもっと良くなるか?」に焦点を当てる。

改善点と強みをバランスよく伝えることで、部下のモチベーションを高められます。

この手法は、男性部下に対しても同じく有効です。

コーチングの手法で「GROWモデル」があります。

G: Goal ゴール、目標
R: Reality 現状
Resource 資源、強み
O: Options 選択肢、オプション
W: Will 意志、行動

ここで一番たいせつなことは、目標達成に向けて、「現状」なにができているか?

さらに、部下の強みを知り、その中の何が使えるか?

これらを部下に確認し、上司が応援することです。

今までのマネジメントは、「何が出来ていないか?」に視点を向けることが多かったのではないでしょうか?

不足を補うのではなく、部下の強みをさらに磨く「成長を促すフィードバック」が求めれられています。


女性部下を活かすマネジメントは、結局すべての個性を活かす:まとめ

女性部下を活かすマネジメントは、結局のところ「一人ひとりの個性を活かす」ことにつながります。

性別ではなく、「その人の強みをどう伸ばすか?」を考えること。

意見を引き出しやすい環境を作ること。ライフイベントも含め、長期的な視点で成長を支援すること。

フィードバックの質を高め、成長を促すこと。

これらを実践することで、チーム全体の生産性とモチベーションが高まります。

結局、良いマネジメントは「特別扱い」ではなく「公平な視点」から生まれるのです。

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この記事を書いた人

女性パワーを活かすビジネスコーチ
「女性の力」を活かすことは、企業の未来を切り拓く重要な鍵です。
男性の視点から、「男女がともに輝く職場づくり」を探求し、企業の成長につなげるヒントを発信しています。
400名の女性たちと共に働いた経験をもとに、そのエッセンスをシンプルに伝えます。
多様な個性が響き合い、組織が強くなる。そんな未来をともに創りましょう。

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